どうもmizukiです。社内SEを目指すエンジニアが気になるであろう「社内SEでスキルが身に付くか」について書きます。2社で4年近く社内SEをやっているので、ある程度社内SEの仕事内容が見えているつもりです!
ただし会社によって大きく仕事内容が異なるので、10人社内SEがいれば全員違う意見が出ると思うので、あくまで『mizukiの所属していた会社の社内SEの話』、程度に読んで貰えると助かります。
自分が行ってきた社内SEとしての業務
どんな仕事をするのかの参考になると思うので、やってきた仕事を覚えている限りすべて書きます。一覧にするとわかりやすいですが、完全にシステム開発ができる便利屋です。
スクラッチによるシステム開発
スキルアップ度:★★★★★(5)
メインの基幹システムのサブシステムを構築しました。実質ほぼ1人ですべて構築してきましたが、協力会社の人がシステムの設計などを教えてくれたので、問題なく実装ができました。
工数などは誰も理解してくれないので、スケジュールを提示して、交渉をして日程を確保しなければ燃えます。
一人で開発を行うので設計から運用のサポートまでやれるので、かなり力は付きます。これしかエンジニアとしてのスキルアップに繋がらないです。
過去のシステム負債の引継ぎ
スキルアップ度:★★☆☆☆(2)
特に理由も無く、「システムエンジニアだから」という理由で、他人のVBAなどのコードのバグ取りをやらされます。
大抵コードが汚いので発狂しそうになりますが、そこまで複雑な処理をしていることは少ないので時間をかければ読めます。
データベースが有りのシステムを引き継ぐ場合はDBの設計が終わっている可能性があるので、見てやばそうなら適当な理由を付けてドッヂしましょう。(すべてのテーブルに削除フラグが設定されていて、それが検索条件になっていて保守が困難だったりする)
ただ汚いだけのコードを読んで直すだけなので、微妙なスキルアップにしかなりません。自分は良いコードを書くことを考えよう!
他人のコードのリファクタリングって何であんなに苦痛なんだろう。
ヘルプデスク業務全般
スキルアップ度:★☆☆☆☆(1)
パソコンの手配、ソフトウェアのインストールやメールアドレスの取得など、色々なことをやりました。
なぜかプリンターが壊れた時にも呼ばれたりします。また、携帯電話の手配とか電子機器を用いるあらゆる雑用を行いました。
これらの業務は「技術力」よりも「思いやり」が必要な業務なので、大したスキルアップにはなりません。
「とりあえずシステム部まだないので総務部所属にします」みたいな会社だと10割やらされます。
電話応対は「なぜか年を取ったオッサンは一切電話を取らない」ので、かなりの時間がとられました。
来客応対は、ただ案内するだけですが時間だけ減って行くのが面倒です。
コードを集中して書いている時に電話が鳴ると集中が一気に切れるので、もし社内SEに応募するときは「電話対応ありますか?」くらい聞いておくと良さげ
電話対応などで、何も得るものはありません。こんなことやるくらいならコードを1行でも書くべき。
少しでもITが絡んでいる打ち合わせや会議への参加、議事録の作成
スキルアップ度:☆☆☆☆☆(0)
僕の経験では9割が参加する意義の感じられない「とりあえず人を呼んでおこう」で呼ばれた会議なので、大体はノートにコードを書いていました。
議事録の作成は一番若い人がやる、みたいな決まりがあったのでやりましたが、無駄に長い会議の内容を延々と書くのは最高に苦痛でした。
多いときは会議と打ち合わせが週に4,5回あったので、開発案件が進まなくなりました。
繁忙期の部門へのヘルプ
スキルアップ度:☆☆☆☆☆(0)
会社によってはあります、下手すると重い物などを持たされるので、ケガをなどをする可能性があるので要注意です。
ヘルプが終わった後にその部門の部長とかが暇そうにパソコンを弄ってると殺意を覚えます。
得るものはありません。
なぜ開発系のスキルが身に付かないか
大体上の業務一覧を見るとわかりますが、スキルを得れる業務は「システム開発」しかありません。他のヘルプデスク業務などはほとんどスキルアップにならないので、エンジニアにとっては無駄な時間となります。社内SEがいくら「技術力」を身に着けたいと思っても、会社や決定権のある人からは「便利屋」としか扱われません。
社内SEはどうしても便利屋になってしまう
「エクセル解らないから教えて」「回線が繋がらない」「パソコンが壊れたから直して、至急ね!」とか、社内SEなら一度は言われた事があると思います。
技術のわからない人からすると、エンジニアは「自分が困ったときに聞けば何でも答えてくれる人」くらいの認識にしかなりません。なので、間違いなく便利屋として使われます。(2敗)
もし、社内の人達から敬意を払われるような社内SEであれば、相当技術力が有り、人格も優れていると想像ができます。僕は便利屋からは脱出できませんでした!
開発案件があればスキルは伸びるけど、評価基準が合わない
僕は社内SEにて、システム開発をやってきました。ほとんどが1人で1からシステムを組んでいたので、技術力は身に付きました。
ただし、根本的な問題があり「会社に技術を評価できる人が存在しない」ので、結局は良い内部構成にするよりも、見た目だけ良いシステムが評価され、それよりも、上司などへの媚び力が評価されるので、純粋にスキルを磨くような気持ちには徐々に無くなってきます。間違いなくエンジニアが納得する評価基準の会社は少ないです。
要件定義だけ投げてずーーっとおしゃべりしてる人の方が、1から設計してコードを書いてる人よりも評価や給与が高かったりするので、さらにモチベが下がりました。
IT企業と違って、開発工程を分かる人が皆無なので、「要件定義だけ下に投げて何もしない」ことをしても一切咎められないので、上手くやれば働かずにお金が貰えます。もし、下の連中が逃げても外注を使えば問題ありません。「下の人はまともに開発してませんでした」と言ってもコード読める人がいないので、本当は開発していても誰も嘘に気づいてくれないのが厄介でした。
同僚に技術好きな人がいない
これは僕の会社だけだと願いたいですが、色々な技術に興味があり、家でもコードを書いていると変人扱いされます。
「社内SEなんだからそこまでコード書ける必要ないでしょ、大切なのはコミュニケーションだよ」とか素で言ってくる人がいるので、あまり技術者同士の会話を期待すると絶望します。
コミュニケーションが大切なのは否定しませんが、このような人が多いと「技術力」よりも「コミュ力」重視の評価となり、実力のあるエンジニアから出ていきます。実際にコード書けるエンジニアが自分1人になる程度に会社から技術力のある人が流出しました。
まとめ
スキルを磨きたい人と社内SEは明らかなミスマッチなので避けるのが無難です。「ほかの社員を自分の技術力でサポートする」くらいの心構えの人なら長く続けられると思います。
開発案件がある社内SEなら、ある程度スキルは身に付きますが、他の業務と並行して行うので、WEB系などの最前線で戦うエンジニアとは成長速度に差が出ます。ただし、客先常駐でずっと下流工程をやるよりはスキルは間違いなくスキルを得る事ができました。
以上、社内SEでスキルが身に付くかの話でした、当然他の会社の社内SEでは全然違う体制で業務が行われているので、色々な人の話を聞いてみると良いと思います。
終身雇用も崩壊してきているので、ある程度「技術力」を持っている事が、良い自分の未来へ繋がると思うので僕はなるべくそういった場所を目指すようにします。
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