2年社内SEをしていて良かった事と悪かった事

社内SE

どうもmizukiです。2年ほど社内SEをしてきたので忘れないうちに良かった事と悪かった事を書いていきます。社内SEと言ってもヘルプデスク寄りの業務の会社もあれば、基幹システムの作成などに関わる会社もあるので、あまり参考にならないかもしれません、もし社内SEの応募に行くのでしたら業務内容を確認しておきましょう。
僕が行っているのは『ヘルプデスク兼、基幹システムなどの作成・保守』です。ぶっちゃけ両業務のダメなところ取りなのでそこそこ辛いです。

しばらくの間、非IT企業のエンジニアと言う記述でしたが、良く考えれば『社内SE』の事でした、大学の頃は楽だと聞いていたので憧れていましたが、そこまで楽ではなかったです。(おそらく楽な会社は楽)

とりあえず良かった点と悪かった点を書いていきます。

社内SEをして良かった点

フルスタックエンジニアに近づける

会社によっては何でも屋になり、パソコンの保守管理から、サーバーの運用、システムの作成、外部ベンダーへの要件定義などあらゆる業務をやらされます(自分に決定権が無い場合が多い)。なのでかなり幅広い知識が身に付きます。しかし、SEとして多くの正しい知識を持った先輩や仲間がいなければ「これで本当に合っているのか」と言う知識が身に付きます(僕の場合はとりあえず動けばヨシ!になってきてる)

そこまでヤバイ残業が無い

Sier時代と比べると半分以下になりました、40~100時間は残業をしていましたが今では多くても40時間程度になっています。納期に関しては自社、または子会社が相手なのである程度融通は利きます。

他の業務の知識が身に付く

僕がシステムを組む場合は「そこの実作業をやらせてもらってから組む」ようにしていました。なので、別の部署の業務についての知識が身に付きました。主に身に付くのは経理系の知識でした。請求書など最近は電子化が進んでいるので、他社の電子請求システムと自社の基幹システムの連携などの業務も発生していました。

社内SEをして悪かった点

技術者としては悪かった点の方が多いです。

社内SEが部署になっていなければ給与が低く評価もされない

『システム部』のような部署になっていれば、そこでの上位職になれば給与はそれなりに貰えます。しかし、会社によっては「総務部」あたりに所属させて「システム担当」にする場合があります。その場合はいくらスキルが高くて成果を出したとしても、「評価する人が技術に無関心」なので、自分よりもスキルの低い人に自分のスキルを評価されないという技術者としては辛い展開になります。結局は「コミュ力()」も要求されるので、成果を出しつつ自分の成果を分からない人達に説明し続けなければなりません。

実装において内部処理をいくら美しく書いても一切評価される事はないので、技術力を評価されたい人には苦痛です。

保守の必要性がわからない

ほぼ全員が「保守」の重要性とコストを理解していません。なのでどんどんシステムを新規で追加、拡張していこうとします。最初の内に「保守コスト」について説明をして理解させなければ「自分の作った大量のシステムの保守」に多くの時間を取られてしまいます。他の人はそれを理解していないので平気な顔で新規実装を依頼してきます。

前任のエンジニアの方は、会社で保守を行い、家で実装作業を行ってなんとか生き延びていました。奴隷労働をすればするだけ、上の人たちは「前の人は時間内にできたのに、なんでできないの?」と言う態度になるので止めて欲しかったです。僕は残業付けまくってます。

使う知識が古い場合がある

「前任者がアクセス(マイクロソフトのDBソフト)で作ってたから、これ改修して」と言った感じの案件が多かったです。自分としてはもう少し別の言語で作った方が良いなと思いつつも「壊した場合に全責任が自分に押し付けられる」と言うプレッシャーと工数の問題から最新の技術を使うのに躊躇してしまっています。
ただ、技術力が高く、過去のシステムを完璧に動く形で最新の技術に落とし込めるエンジニアの方であれば、どんどんチャレンジできると思います。

金銭を扱うシステムを弄るリスクを理解していない

これが僕の中で一番悪かった事です。「すごい気軽に金銭が絡むシステムの改修依頼」を出して来ます。どんな会社でも「請求、支払い」などの処理は発生するのでエンカウント率も高めです。
僕の場合は運悪く自社で基幹システムを作成し管理していたので、金銭に関わる部分の改修が多々発生していました。この前はちょうど可変税率で地獄を見ました。同様に経理部も死んでいましたが。

金銭を扱うシステムに不具合があれば、取引先の会社にも迷惑がかかり、会社の経理部にも大迷惑です(請求の赤黒処理や、取引先への請求書持参の土下座ツアーが発生する)なので、必ず厳重なテストを行い、余裕のあるスケジュールで実装を行います。しかし、そんな状況でも会議の出席依頼や資料の提出が求められるので割とストレスフルでした。他の人から見ればエンジニアの仕事は「簡単」だと思われているので要注意です。

まとめ

数年前に『社内SEは楽』!と言われて実際になりましたが『ブラックSierよりは楽』!でした。あとは会社によってかなり業務内容や仕事への理解が違うので、おそらく本当に楽園のような社内SEも存在しています。
そこそこ幅広い知識が身に付き、新規実装や既存システムの改修でコーディングもできたので、業務内容に関しては満足しています。しかし、技術への理解、関心が一切ないので大きな昇給なども見込めないので、今後どうしようか考えています。

こちらの記事でも社内SEについて書かれていますが、(他の業界と比べて)社内SEが楽と言う内容でした。やっぱりシステム系の業界はかなり真っ黒な労働環境が未だに多そうです。主に納期のせいで。

楽すぎる社内SEになろう
私はWeb系企業で二年ほど働いた。現在は社内SEをしている。間違いなく社内SEは楽だ。なぜ楽なのかを前職(web系)とくらべて話したい。Web系労働環境は会社に依存するが、基本的に激務だ。私が経験した会社もあまり良いものではなかった。まず技

そして、記事の中で凄い共感できた部分がこちらです。

非IT企業に身を置いて実感するのは、世間のサラリーマンとかOLとか言う人々が、それほど凄い仕事をしているわけではないこと。彼らが邁進する業務の多くでは、普遍的なスキルは身につかない。ずっと続けていたら『その会社でしか通用しない人間=転職できないサラリーマン』になりかねない。
『日本の会社員の大多数は、もし海外に出たらせいぜい清掃員になるのが関の山だ』という話を以前どこかで耳にした。要するに専門性が身につかないのだ。

これは『大学は遊んでサークル活動に精を出し体育会系のノリで就活を乗り切ります』という日本の社会土壌も背景にある気がする。大学で学ぶ知識を軽視して、OJTを軸とした教育に頼り切りなのだ。
結果的に、日本企業に溢れる『業務』の多くが専門家でなくても(それどころか派遣会社からきた素人でさえ)なんとかこなせてしまうレベルから、進化しない。

https://www.rite.jp/post-1270/より引用

周りの業務を見渡しても専門性が無い業務が9割くらいでした(本当に素人の高校生でも手順書さえあれば出来るレベル)、よって「そこの会社でしか通用しない仕事」に溢れています。しかし多くの企業は終身雇用を未だに信仰しており年功序列による昇進を行っているので、そのような業務形態でも問題が無く回っていると感じます。(それだから生産性がぶっちぎりで低い)

良い点も悪い点も会社によって大きく変動するので社内SEを目指す人は「下調べ」をしっかりやってから入社しよう!

最後に

システムで不具合を出すと会社によっては半端無く責められるので、メンタルが弱い人は「ヘルプデスク寄り」の社内SEをオススメします。(外部委託にしておけば責任を押し付けれる)
電話とメールが鬼のように来て、「ほかの仕事があってもウチのシステムを先に直せ!」とキレられながら主張されます。アレ?これSier時代にも見た光景だ。

優秀なエンジニアを得る為に「基本給19万(契約社員、正社員登用有り)」で募集してまともな人来ないと経営者が言ってて笑いそうになりました。そりゃ来ないわ。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
明日もコーディングがんばりましょう!

おまけ

1年目の社内SE感想です。IT介護が凄い嫌だったのを覚えています(絶対に自分で調べないで聞いてくる)

一年間非IT企業で働いて思ったこと
どうもmizukiです、この一年非IT企業でエンジニアとして働いて来ました、 そのまとめを書こうと思います。 職場のITレベルについては、エクセル、パワーポイントなどのツールをまともに使える人がほとんどいません。 前任者の作ったエクセルなど...

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